変形性膝関節症

整形外科診療

変形性関節症は、関節にある軟骨がすり減って変形したり、骨と骨がこすれたりすることで、炎症や痛み、こわばりなどがおこる病気です。なかでも一番多くみられる変形性膝関節症は、日本で2530万人の患者さんがいると推計されています。
男性に比べ女性に多くみられます。(男女比3:7)

変形性膝関節症の症状と進行度

腰痛や腰の周りのだるさ・違和感とともに、足のしびれなどが代表的な症状です。
階段の下りが辛い、前かがみで休むと楽になり、反らすと痛い、などの症状も多くみられます。

前期

関節軟骨が少しづつ傷つき始めます。
小さな骨棘がみられることもありますが、ほぼ健康な状態で外からは変化がわかりません。

初期

関節軟骨の弾力がなくなり、関節への負荷が1ヶ所にかたよってきます。関節の隙間がせまくなっていたり、骨棘ができ初めている状態です。

中期

関節の隙間がさらにせまくなり、骨棘がさらに作られている状態です。
痛みやO脚の度合いが強くなってくるため、日常生活に支障を感じるようになります。

後期

関節の隙間がほぼなくなり、骨と骨がぶつかっている状態です。体を動かさなくても痛みを感じ、O脚はさらに進みます。手すりや杖なしでは歩くことが難しくなります。

変形性膝関節症になりやすい人

変形性膝関節症は中高年でなりやすく、女性は60代以降、男性は70代以降に多くみられます。
どの年代でも女性の割合が男性よりも多く、女性の方が変形性膝関節症にかかりやすいようです。
また、太っているとひざ関節への負担が大きいため、変形性膝関節症にかかりやすく、運動不足で筋力が低下している人、もともとO脚やX脚の人、重い荷物を運ぶ仕事などを続けていた人なども挙げられます。

変形性膝関節症の治療

薬物療法

薬物療法では、直接膝に注射する薬(ヒアルロン酸など)などを使います。

運動療法

運動によって筋力が維持されたり、痛みが和らげられたりして、日常の動作ができるようになります。
当院では、リハビリ室でのリハビリ、運動療法にも力を入れています。
太ももやひざまわりの筋肉をきたえて、ひざの関節を支える力を強くしましょう。

物理療法

干渉波、低周波治療により、痛みを緩和させる治療です。
関節が固くなり、拘縮がある方には、拘縮を改善するように治療します。

ヒアルロン酸の活用

ヒアルロン酸は、鎖状の構造をしており、体内では細胞の間で水を保持し、細胞に適度な潤いを与えています。
その保水力は大変優れており、1グラムで6リットルの水を保持するといわれています。

ヒアルロン酸の特性

ヒアルロン酸は非常に高い粘性(ねばりけ)と弾性(元の形に戻ろうとする性質)が特徴です。
粘性と弾性はヒアルロン酸の濃度や分子量(ヒアルロン酸の長さ)によって異なります。
また、体内の存在する部位や病気によってヒアルロン酸の状況は変わってきます。

ヒアルロン酸の働き

ヒアルロン酸は関節腔を満たす関節液、関節軟骨などに含まれ、関節の動きをよくしたり(潤滑作用)、クッションのように衝撃を吸収したりする働きをしています。
当院では、膝や肩の痛みに対し、純度の高いヒアルロン酸を必要に応じて使用します。

再生医療(幹細胞治療、PRP)について

変形性膝関節症の治療法として近年注目されているのが、自己組織を用いて損傷した臓器や組織、機能の修復を目指す技術を用いた再生医療です。
当院では、変形性膝関節症の治療法として再生医療に可能性を見出し、2020年から取り扱いを開始しました。

治療リスクも身体への負担も少ない再生医療
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